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ITが本業ではない事業会社でも、クラウド上でのシステム開発を内製化すべきメリット

summary

多くの企業がDXに取り組むなかで、その過程において直面するのが内製化との向き合い方です。

多くの事業会社においてITシステムの開発は、社内に情報システム部門が存在していても外部の開発会社に開発を委託し、情報システム部門は事業部門と開発会社との調整役でしかないというケースが見られます。

しかし、企業がDXに取り組むだけでなく、事業遂行においてITを強みとして、イノベーションを推進するためには、自らITシステムを企画し開発する内製化が不可欠だと断言できます。

では、事業会社が内製化を推進するためには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。また、そのメリットを持って、どのように社内で進めていけばよいのでしょうか。これまで多くの事業会社の内製化支援をしてきた経験を元に、ポイントをまとめてみました。

内製化における目先のメリットはコストの削減

事業会社が開発、特にクラウド関連での内製化を選ぶ最大のメリットとして挙げられるのが、「コストの圧縮」です。ここで言うコストとは、プロジェクトマネジメントコスト、コミュニケーションコスト、そして人員コストの3つが軸になります。

そのなかでも目に見えてわかりやすいのは、人員コストの削減です。開発会社に外注すると、そこに必要となるエンジニアの人件費に加えて、会社の利益や諸経費などが計上されます。したがって、単純に同じ規模の開発ならば、内製化することでコストは確実に圧縮できます。

さらに、事業会社の中のメンバーであれば、自社の事業ドメインだったり、業界特有の慣習であったり言語化されていない知見だったりといったことを熟知しているので、当然プロジェクトマネジメントコストが下がります。外注につきものの、先が読みづらい「待ち」の時間や煩雑なやり取りも無くなりますから、コミュニケーションコストも減ります。

こうしたことから、開発会社への外注や新規でIT人材を採用するよりも、社内から配置転換/リスキルによって内製化に成功しているケースは少なくありません。

私たちがこれまで内製化のご支援をしてきた経験から、どの分野、どの業界の会社であっても、業務とは無関係なところでITスキルに長けていたり、隠れたITの素養を備えていたりする人材が、2パーセントはいるいることが多いです。この人材を見つけ出して、適切なリスキルが成功すれば、ドメイン知識を備える優れたIT人材として活躍してくれます。

例えば戸田建設様の事例では、実際にこうした社内人材を見つけ出し、配置転換/リスキルを進めることで、さまざまな開発実績を上げています。もともと工事現場や建設現場の知識や実体験を持った人材であるがゆえ、現場の課題に即した開発につなげやすいからです。コストを圧縮できた上で、外注するよりもスムーズかつスピーディにシステム開発できたケースです。

クラウド開発を内製化することで会社に何がおきるのか

また、数字という面でもわかりやすいコストの圧縮だけでなく、内製化にはイノベーションサイクルを加速するという大きなメリットあります。

内製の場合、社内人材が実際に手を動かしていく中で、スキルやノウハウが構築されていきます。内製化のために必要な開発文化、働き方(タスク処理の仕方、社内での動き方、関係者とのコミュニケーションの仕方など)も血肉となって身についていきます。

これらは座学では習得できない重要な部分だと思います。最新技術とクラウドベースのモダンな開発サイクル=アジャイル開発を身につけ、社内外の関係者とのコミュニケーションも円滑に進められる人材が育つことで、ベンチャースピリットも醸成されやすくなります。

例えば、私たちのクライアントのある製造業者では、4千台規模のオンプレミスのサーバーを運用しましたが、管理に掛かる負荷が大きく、またコロナ禍でのリモートワークを推進するため、クラウドへの移行と開発の内製化を同時に推進しました。

当初は、クラウド開発の経験がなく、メンバーのスキルセットもバラバラでしたが、ひとりひとりに合わせたレクチャーを重ね、実際に顔を合わせながら手を動かすことで、クラウド開発の内製化を実現することができました。

サーバーレス+内製化がイノベーションを加速する近道

繰り返しになりますが、事業会社における内製化を進める上で、クラウド開発のなかでもサーバーレスアーキテクチャーは、インフラ管理であったり、仮想環境構築であったりといった、クラウド開発における負担をなくし、サービスやアプリのアイデアであったり、開発そのものにリソースを集中することができます。

そうやって開発そのもにフォーカスすることで、素早く仮説を立て、アプリケーションを作り、検証するというサイクルを加速することこそが、イノベーションになり、引いては競争力の強化に繋がります。そうやって一度、イノベーションのサイクルが動き出せば、システム開発だけでなく様々な領域に広げて行くことができるはずです。そのためにも、「サーバーレスでの内製化」を小さな一歩から初めてみてはいかがでしょうか。

Written by
CEO

堀家 隆宏

Takahiro Horike

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