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データ分析基盤と内製化体制の構築を同時に支援――中京テレビ様の場合

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データの重要性や有用性を多くの企業が認識するようになり、データ分析とそのための基盤構築に対するニーズが大きく広がっています。弊社でも、データ分析に関わるご相談を数多くいただいており、AWS Athenaを使った分析であったり、Quicksightによるダッシュボードの構築(https://serverless.co.jp/blog/mi9uog6pesw/)などについての知見があります。

同様にデータが重要な鍵を握るのが、生成AIの活用です。生成AIを導入したシステムが効果を発揮するためには、社内のデータが不可欠です。しかし、多くの企業で、必要なデータの整理や整備がなされておらず、生成AIの導入にあたって「データの壁」にぶつかることがしばしばあります。

そこで必要となるのがデータ分析基盤の構築です。経営方針や事業検討のためのデータ分析であったり、生成AIの学習用データの収集であったりといった、個別のプロジェクトごとにデータを整理するのではなく、あらかじめデータ基盤を構築することで、そこからの分析などのデータ利用のスピードアップと効率化を図ることができます。

中部地方(愛知・岐阜・三重)に拠点をおくテレビ局である中京テレビ様も、そうした将来的なデータの活用を目指して、全社的なデータ分析基盤の構築を行いました。今回は、このケースについてご紹介します。

中京テレビ様に限らず、現在の放送局は電波によるテレビ放送だけでなく、ひとつ番組を「TVer」や「Youtube」などで配信したり、X(旧Twitter)やInstagramといったソーシャルメディアを活用することが増えています。また、中京テレビ様の場合は、中部エリアの他のテレビ局と共同で運営する「Locipo」という配信サービスでも、積極的なコンテンツの配信を行っています。

このように、ひとつのコンテンツが複数のプラットフォームをまたがって展開されるため、「番組がどのくらい視聴されたのか」、「どのくらい人気があるのか」を分析するためには、従来からあるテレビ放送の視聴率だけでなく、それぞれのプラットフォームのデータを横断して分析する必要がでてきました。

しかし、これまで中京テレビ様では、分析業務の担当者がスプレッドシートを使って、プラットフォームごとに形式やフォーマットが異なるデータを、半ば手作業で集計して行っていたそうです。そのため、データ分析をリアルタイムでは行うことができず、月次での集計となっていたそうです。さらには、他の人間がデータを使って更なる分析しようとしても、元データの所在が曖昧で再利用が難しいといった課題がありました。

そこで中京テレビ様では、番組制作のためのデータ分析だけでなく、マーケティングや経営での活用も視野に入れた、全社的なデータ分析基盤を構築しました。この分析基盤は、全てサーバーレスで構成されており、様々な形式のデータをLambdaでETL処理を行い、S3とRedShiftによるデータレイクに蓄積し、Glueでなどで分析してデータウェアハウス(RedShift)に格納して、QuickSight上に構築したダッシュボードで分析できるというものです。

外部からのデータだけでなく、これまでBigQueryで管理していたデータや、オンプレミスの社内データベースなどとも連動しており、中京テレビ様の事業経営において必要なデータが、すべてこのデータ分析基盤の上に乗っているわけです。これによって、番組についての継続的なデータを見るといった使い方だけでなく、将来は複数の番組やプラットフォーム、さらには売上のデータ等も絡めた、複合的な分析を行い、多様な観点からの番組作りに役立てることができます。

なお、このプロジェクトでもうひとつ特筆すべき点が、これらのデータ分析基盤の構築にあたって、中京テレビ様は同時に内製化にも取り組んだことです。GitHubでソースコードを管理して、継続的に開発・運用をしていく、モダンなアプリケーション開発のための内製化体制の構築も、弊社でご支援いたしました。

AWSによるデータ分析基盤の構築は、多くの事例が存在しますが、より踏み込んだ分析基盤の構築を行うためには、さまざまなノウハウが必要となります。データを格納するのにもRedShiftだけでなく、SnowFlakeやBigQueryもあり、逆にS3でも良いというケースもあります。その判断は、これまでにどういったデータを持っており、今後どんなペースで増えていくのかといった、多くの判断のポイントがあります。

こうした知見に基づいて、私たちはお客様に最適なサービスやアーキテクチャの選定をします。同時に内製化のご支援にあたっても、こうしたナレッジを積極的に共有していきます。このような形でシステムと内製化体制の構築を同時に進めていくことも可能ですので、ぜひご検討ください。

Written by
編集部

Serverless Operations編集部

Editing Department

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